前編に引き続き、後編では、ストレスが脳に与える影響と、ストレスの要因、そして対処法についてご紹介します。
ホメオスタシスが失われる原因
ここで登場するのが「ストレス」です。詳しくご説明しましょう。
- 外的内的な要因によるストレスで、体内環境が乱れます。
- 身体は乱れた環境を元に戻そうと、1)正常なホメオスタシスを維持するための生理反応と、2)細胞を健康に保ち生存能力をアップするストレス 反応を起こします。
- ストレス強度が高いと身体の適応機構に負担がかかります。これにより細胞にストレス(酸化ストレス)がかかります。ある程度のストレスは正常な細胞機能にとってプラスですが、過度のストレスはマイナスにしかなりません。
- 細胞が過度のストレスにさらされると、正常に機能できなくなります。
簡単にまとめると、このようになります。
ここまでご説明した点を踏まえると、日常的なストレス(汚れた大気や偏った食生活、睡眠不足など)が、私たちの脳細胞の正常な働きを乱すことがおわかりいただけると思います。結果として、ぼうっとする、頭がすっきりしない、気分がすぐれない、集中力がなくなる、などの症状があらわれます。
では、脳の機能を最大化するにはどうすればいいでしょうか?それは、酸化ストレスをできる限り小さくすることです!
酸化ストレスの原因
酸化ストレスの原因は日常生活に潜むストレスです。 細胞にダメージを与え、正常な脳機能を阻害する可能性のある日常的なストレス要因をいくつか挙げてみましょう。
- 情動ストレス(日々のタスク、人間関係、対人関係など)
- 身体的ストレス(加齢、睡眠不足、運動の過不足、栄養不足など)
- 環境ストレス(大気や水質の汚染など)
- 金銭的ストレス(ボーナス減額、増税など)
ストレスとの戦い
ここで、ストレスレベルを下げるためのヒントをもう少しご紹介しましょう。
- 身体を動かす
リラックスできるヨガのレッスンでも、マラソンのようなちょっとしたハードなことでも構いません。身体を動かすことでエンドルフィン(別名ハッピーホルモン)が分泌され、ストレスが軽減し気分がよくなります。 - 人づきあいをする
人生を豊かにしてくれるようなポジティブな人とつきあうようにしてください。辛いことがあった時、強力なサポーターの存在は何よりの力になります。 - バランスのとれた食生活をおくる
きちんと栄養を摂取することで、身体のストレス耐性が高まります。果物や野菜をしっかり食べるようにしてください。栄養価の高いバランスのとれた食事で、エネルギーレベルを高く保ちましょう。 - 適切な睡眠をとる
睡眠は、人をリフレッシュさせて、また一日しっかり働けるようにするだけではありません。身体を修復する働きもあります。ストレスレベルを上げないために、毎日8時間くらいの睡眠を心がけてください。